商店街の角に、小さな時計店がある。
店先には何年も前から同じ時計が並び、少し色あせた文字盤が午後の光を受けている。
今では腕時計を修理に持ち込む人も少なくなったのか、店の前を通る人の足取りはどこか忙しい。
けれども、その店を通るたびに思い出す。
子どもの頃、父に連れられて時計の電池を替えに来たことを。
待っているあいだ、ガラスケースの中の時計を眺めていた。どれも未来へ続く扉のように見えた。
あの頃は、時間は減るものではなく、増えていくものだった。
今、店の前に立つと、聞こえるのは、車の音と、スーパーから聞こえる特売アナウンス。
それでも、ガラスの向こうには確かに昔の午後が残っている。
街角には、ときどき時間が置き忘れられている。
私はその前を通り過ぎながら、ふと立ち止まり、その時間に会いに行く。
「駅前のベンチ」「古本屋の灯り」「閉店した映画館」「雨上がりの路地」
そんな風景を入り口にして、そこから記憶や想像へ少しだけ歩いていく。
きゅんとさせる物語をエッセイを創っていきたい。
ところで、現在、野田市南コミュニティセンターで読書会を開催中です。
第一第三土曜日三時から。野田ノベルプレゼンツ、三つの都市(東京・ソウル・パリ)の物語
このホームページは12年間放置してました。これから稼働します。宜しく。















